米山の麓より

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zoom RSS ★ 乗鞍岳  【2011年5月13日】

<<   作成日時 : 2011/05/16 00:33   >>

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定刻通りにバスは来た







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鈴蘭地区の上空は晴れていた
だが山頂稜線付近は残念ながら雲の中
他に乗客がいないバスは静かに車道を走り始めた




三本滝バス停で乗り込んだのは単独のスキーヤーだけ
車窓から見えるゲレンデに雪は無い
青空はやがて眼下に消えていき、風景は白い空と白い山肌に変わっていった





位ヶ原山荘でバスを降りると冷たく懐かしい空気に包まれた
少し前まで当たり前のように感じていた冬の空気だった
山荘スタッフに声をかけ、やや強い風の中を歩き始めた





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橋を渡ってすぐに右手の斜面へ
やや急な斜面を登ればやがて位ヶ原の末端に乗る
相変わらず強い風が吹きつけていたが、今の時期ならそう気にするほどでもない





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時折青空が覗くこともあった
だが次第に空は雲に覆われていき、視界も徐々に悪くなっていく
天候は回復傾向にあると信じていたが山の天気はわからないものだ





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数日続いていたであろう雨の影響を気にしていたが程良いザラメ雪でとりあえず安心
しかし剣ヶ峰から連なる山頂稜線は依然として厚い雲の中
肩ノ小屋バス停付近の建屋で強風を避けながら天候回復待ちの休憩をとった





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風の強弱、雲の厚さ、そして時折見える小さな青空‥
周期的に訪れる僅かな変化を感じながら再び登り始めた
視界は数十メートル先のブッシュ帯が僅かに見える程度で、後は白い闇に包まれていた




雲の薄い部分が風に乗って通り過ぎて行く
周囲の様子を伺う事が出来るのは僅か数秒程度
その瞬間に方角を見定め、その方向に向かって白い闇の中をひたすら進んだ




何度も登った斜面だからあまり不安はなかった
朝日岳直下を巻き気味に登り、蚕玉岳との鞍部を目指した
気温は低く、この時点で春山の雰囲気はほとんど感じられなかった





どこで折り返すか‥
せめて朝日岳の稜線までは登りたい
周囲が全く見えない中で葛藤は続いた





途中で見かけた先行者のトレースもどこかへ消えていた
稜線に出ると当然のように強風の洗礼を受けた
それまでの様子から考えるとここで折り返すのが妥当と思えた





その時、突然空が明るくなった
周囲の風景はあっという間に広がっていった
瞬く間に青空が広がり、振り返ると北アルプスの峰々が姿を見せていた





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これほどまでに青い空は見たことが無い
あれほど強かった風もピタリと止んだ
ある程度期待していたとはいえ、これほど劇的な変化を見せられるとは思いもしなかった





先行していたはずの方も後から登り返して来た様子でその場所に到着した
あの状況では途中で折り返すのも無理はないだろう
他に誰もいないほぼ貸切の青空に言葉も無く笑うしかなかった





彼はリセットされていた平坦な斜面をあっという間に滑り降りて行った
剣ヶ峰山頂は目前だったが、そこに立つ事がそれほど重要とは思えなかった
この場所から滑り降りる事こそ最初にここへ来た時からの目標だったのだ





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蚕玉岳との鞍部から真っ直ぐに位ヶ原へ続く斜面
以前に見た時はとても急峻でスキー滑降など無理と思っていた
しかしこの日は不思議なくらい緩い斜面に感じられた





穏やかな蚕玉岳山頂で準備を整え、そのまま斜面に飛び込んだ
雪質は絵に描いたように快適なザラメ雪で、そのまま一気に滑るのも簡単そうだった
でもあまりにもったいないので、立ち止まってシュプールを眺めながらゆっくりと降りた





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バス停付近までは降りずにトラバースしながら移動
僅かにアスファルトが覗く車道に沿って緩い尾根状地形に乗った
その場所からは上にも下にも程良いフラットな斜面が続いていた




お目当ての斜面上で休憩し、板をザックに付けて直登を始めた
もう少し、あともう少し‥
バスの時間を気にしながら一歩一歩雪面を蹴り続けた





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上を行く林道の直下で蹴り込む足が硬い雪の層に阻まれた
登りで天候の回復待ち休憩をしていたから時間にもあまり余裕が無かった
この先はまた今度‥ 剣ヶ峰からの滑降もまた次の機会でいい





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再び板を履き斜面に立った
眼下にはほぼフラットなバーンが続いていた
穂高連峰、槍ヶ岳を改めて眺めてからフォールラインに乗った





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次第に緩い沢状地形となり、やや向きを変えて位ヶ原下の台地まで
滑らかな雪質の快適な斜面は最後まで続いていた
迎えてくれたダケカンバの鮮やかな色が印象的だった





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結果的に時間には余裕があった
山荘前からは剣ヶ峰とそのすぐ横に描かれた軌跡を眺めることが出来た
優しい風が流れるベンチに座り、穏やかな時間を過ごした





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車窓の景色は次第に春らしくなっていった
広い駐車場の真ん中で車が待っていた
山頂方向を振り返ったが、残念ながら既に雲に覆われていた





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白濁した湯に浸かり車を走らせた
車窓に映るヤマザクラの鮮やかな色が目を引いた
僅か数時間の鮮明な記憶は思い出に変わっていた




















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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
あきさん、こんにちは〜
新緑が奇麗な季節になりましたね

今季は良いエリアに沢山出かけてますね。
レポ楽しく拝見しました

雪が多いのでまだテレですか?
じゅんこ
2011/05/19 12:48
じゅんこさん こんばんは。
いい季節になりましたねぇ

4年目にしてやっといろいろな事に慣れてきたカンジです。 今季は比較的天候に恵まれる日が多いのでありがたいです。 登山靴への切り替え時期は毎年悩むところですが‥。 雪はまだあるので場所を選べばもう少し楽しめそうですね。
 
あき
2011/05/20 01:52

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