米山の麓より

アクセスカウンタ

zoom RSS ★ 6月の雨飾山 (1) 【2009年6月12日】

<<   作成日時 : 2009/06/15 01:38   >>

トラックバック 0 / コメント 0

山間の細い林道を終点まで走っていく





藍色の空に浮かぶ山のシルエットが少しずつ近づいてくる
夜空を照らしていた月はやがて稜線の奥に沈んでいく
沢音だけが響く駐車場に到着したが他に車の姿は無い





車の明かりを消すと月の光が対岸の山を照らしている
険しい稜線に囲まれた狭い夜空には北斗七星と北極星
普段見る事の無い深夜の光景が閉じた瞼に焼き付いた





画像


画像






目を覚ますと一台の車が停まっていた
いつ頃到着したのか既に出発した様子
準備を整えてゆっくりと駐車場を後にした





(駐車場から見えていたのは海谷山塊「鬼ヶ面山」)
画像






雨飾山荘の前を通り登山道へ入っていく
梶山ルートを歩くのは今回が2度目
駐車場を見ると後続の車が到着したところ





画像


画像


画像


画像






急坂をいつものようにゆっくりと登っていく
20分ほどで尾根上の道を辿るようになる
風は涼しく、梅雨を感じさせない心地良さ





後続の方がすぐに追いついた
「トレーニングなんです」と言いながら先行
見れば半袖に短パンというかなりの軽装





画像


画像


画像






木々の間から西海谷の山々を眺めつつ高度を上げていく
沿道をイワカガミが明るく彩っている
振り返る景色も少しずつ広がっていく





(海谷駒ヶ岳 平らな山頂部にはブナ林が広がっている)
画像


画像


(西側の尾根は長野県との県境)
画像


画像


(左端は青海黒姫山)
画像






傾斜が落ち着くと周囲の様子が判るようになる
道は再び急登となるが、やがてトラバース道になる
次第に青くなっていく空にダケカンバの緑が映える





画像


画像


(左:駒ヶ岳  右:鬼ヶ面山)
画像


(背後は日本海)
画像


(青海黒姫山も徐々に低くなる)
画像


画像


(山頂方向の稜線)
画像


画像


画像


(東側‥登山道左手の景色  この山域は標高の割に険しい)
画像


(左手後方には鋸岳)
画像


画像


(左:鬼ヶ面山   右:鋸岳    いつかは歩いてみたい稜線)
画像


画像


(登山道は細尾根を辿る)
画像


(振り返る糸魚川の市街地と駒ヶ岳、鬼ヶ面山)
画像


(その左手には青海黒姫山  水平線もぼんやりと見える)
画像


画像


画像


画像


画像


(トラバース道の途中から残雪が現れる)
画像


画像


画像


画像


(トラバース道の途中から眺める海側の景色)
画像


(手前に見えるのが登ってきた薬師尾根)
画像


画像






秋に歩いた時の記憶が少しずつ蘇ってくる
小さな雪渓を何度か渡り中ノ池まで向かっていく
前方に大きな雪渓があり末端に二人の人影が見えた





「道が判らなくなってしまって‥」
朝先行の一人と途中で私を抜いて行った軽装の一人
二人共ここは初めてのようでルートを完全に見失っていた





その付近は無雪期とは全く違う風景だった
しかし雪渓の端には水溜まりがあり池の面影を僅かに残していた
周囲の雰囲気からもそれが中ノ池である事はほぼ間違いなかった





「ルートはここからこの雪渓を直登するはずです」
そう言って見上げるがその付近にはトレースが全く無い
無数にある縦溝から察するに雨で消えてしまったのだろう





登山道は池の近くで向きを変えて直登気味に登っていくはず
念の為GPSを取り出して確認したが記憶と相違は無い
ブッシュの僅かな切れ目を目指してキックステップで登りはじめた





画像






見上げると遥か上方まで続いている長い雪渓
登山道の詳細な記憶は曖昧でしかも断片的
次第に急傾斜となるが登山道らしき箇所は見当たらない





雪渓の両端はかなり濃い藪になっている
残雪は中が硬くて蹴り込んでもつま先程しか入らない
少し不安になって辺りを見渡すがどう見ても道は他に無い





二本のストックだけを頼りに一歩一歩慎重に登っていく
三段蹴りの後に硬い雪をストックで何度か突き刺して再び三段蹴り
降りるときにはこのトレースだけが頼りとなるので手抜きは出来ない





アイゼンとピッケルさえあれば‥と思ったが残念ながら車の中
北アルプスでは持参していたがその時は使う場面がなかった
比較的標高が低い事もあり、この山を少々甘く見ていたようだ





先行の二人が少し距離を置いて後に続いてくる
二人とも雪用の装備は何も持っていない様子
一人は途中で諦めたのか引き返していった





時間をかけて確実な一歩を刻みながらゆっくりと登る
振り向けば怖くなりそうで目の前の雪面だけを見るようにした
まさかここで道付けをする羽目になるとは思わなかった





やや狭くなっていく雪渓の端に寄り藪こぎを試みたがとても無理
雪の重みで垂れ下がっていた太い木に掴まり小休止
軽装の彼が先行してくれた





だがその彼の足元はトレランシューズのような軽装備
何処かで拾った木の枝一本だけで先行するのは無理
気持ちだけありがたく頂き、再び先行させてもらった





万が一にも滑落したら止める事が難しい斜度と高さ
このままこのペースで長い雪渓を登り続ける事は難しい
しかしここを登らなければ山頂には行けないはず‥





雪渓に取り付いてからかなり長い時間が経過したように感じた
ふと頭上を見上げると雪渓の端に小さく赤テープが見えた
その方向へ一歩一歩ステップを作りながらゆっくりと近づいていった





そこには藪を切り開くように夏道が続いていた
ルートに間違いは無かった
「ありましたよー 夏道が続いてますよー」





少し遅れて登ってくる後続の彼に大声で知らせた
数十メートル下からは別の二人組も登ってきていた
何か大仕事をやり終えたような気分だった





夏道に立つと安堵したがそれと共に強い疲労感を覚えた
立ったまま休む私の横を後続の人々が声をかけて通り過ぎて行く
確かにトレースさえあればそんなに厳しくはない雪渓だが‥










所々に秋の記憶が残る登山道は急登の連続
徐々に上昇する気温が更に体力を奪っていく
登山道は再び雪渓に遮られていた





道は雪渓の対岸から更に続いている
先行の三人がトレースの無い雪渓を慎重に横切っていた
「落ちたら止まんねーだろーなぁ」





雪は相変わらず硬い状態で靴半分程しか乗せられない
先行者の言葉がチラリと脳裏を過ぎる
下を見ないようにして慎重に通過した





更に続く急坂を登っていくとやや緩い雪渓を再び直登
先行者のトレースがとてもありがたかった
それまで見えていた山々はいつの間にか更に低くなっていた




画像


画像


画像


画像


画像


(岩肌が見える手前の山は明星山  奥は白鳥山)
画像


(山肌が削り取られている青海黒姫山  全山が石灰岩の山)
画像


(糸魚川市街地  姫川の河川敷が広い)
画像






笹平はもう近い
最後の小さい雪渓を登ると緩やかな道となり空が広がっていく
巨大な標柱が建っていたはずの分岐地点には新しい小さな標柱があった





画像






迷うことなく分岐を右へ向かう
僅かに登っていくと空は更に広くなり風景は一変
そこは山上の楽園だった

















(続く)















テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
★ 6月の雨飾山 (1) 【2009年6月12日】 米山の麓より/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる